功利主義と義務主義の授業で考えたこと
今日,工学倫理の授業で考えていたことを残します.
キーワード:
正義,価値観,ルールの重さ
授業の内容
功利主義と義務主義について,
功利主義は,最大多数の最大幸福を求める立場で,一方で義務主義は,果たすべき義務があるとする立場である.
講義中,講師がカントの思考実験と奴隷制に関して質問をした.
カントの思考実験は,殺人鬼に追いかけられた友人を家に匿い,友人から「この家に隠れていることを殺人鬼に明かさないでくれ.」と言われた状況において,殺人鬼に友人が家に隠れているかどうか聞かれた場合,嘘をつくか,つかないかという質問であった.
これに参加した学生は全員”嘘をつく(友人は家にいない)”を選択した.
理由としては,友人が家にいると明かすと殺人鬼が家に押し入って友人を殺してしまうからであった.
嘘をつく派は嘘をついた結果,友人が助かるという善い結果を求めており功利主義の立場である.嘘をつかない派は嘘をついてはいけないという社会一般のルールを順守しているので義務主義の立場である.
奴隷制の質問は,ある国で国民の1割を奴隷にすると国際競争で勝ち抜け,残り9割の国民が幸せになれるという前提で,国民の1割を奴隷にするかどうかという質問であった.
2人は奴隷制に賛成で,その他の学生(30人程度)は反対であった.
賛成は,国民1割を犠牲にしてでも残りの9割の幸福にすべきという意見で,反対は,人権を無視される奴隷は良くないという意見であった.
ここで,賛成派は残り9割の幸福を求めており功利主義である.反対派は奴隷を作ってはならないというルールを順守しており義務主義である.
この2つの質問においてどちらの立場でも正しくまた間違っている.このことから功利主義と義務主義のジレンマがあることがわかる.工学倫理は人の価値観を扱う分野である.
さて,この時考えていたことをざっと書きます.
・人それぞれの正義で良し悪しを判断している.
・人は正義という判断基準を持っていて,正義っていうのは過去の経験から構築されていくんだろうなってのも漠然と思いました.
・今回については,おそらく破るルールの重要さがポイントになったんじゃないかと思います.嘘をつくと奴隷制を作るじゃ破るルールの重たさが違いますよね.そういう観点だと人は自分の中でルールの重要さをまとめたみたいな表を持っているのかも.そして,ルールを破った結果の期待効用がルールの重要さを上回ればそれを実行するみたいな.
書いてみてわかったけど,自分の考えをまとめて文章を作るのって難しい...
これから練習していきます.
初投稿
調べたことのまとめなど,主に自分の記憶の補助に使っていきます.