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理系学生です.

研究者になるために必要なスキル

最近,活躍中の研究者の方々と話す機会が頻繁にあってそこで聞いた話をまとめておきます.

研究者という仕事について

  • 仕事内容は研究!

当たり前だけど,研究者の仕事は研究をすること.業績を残すためや自分の興味のために研究を進めている.研究以外では,所属する機関にもよるが,学生の指導や授業がある.私立大学だと授業数や配属学生数が多くてなかなか研究に費やす時間が取れないことも.

理学系研究者の多くは研究所で研究するよりも家で仕事をし,週1くらいでしか研究所には来ないらしい.工学系研究者の多くは基本的に研究所に来て仕事するらしい.大学に所属しているとなかなか無理そうだけど.

  • 昇進にかかわるのはやっぱり業績!

若手研究者のうちは基本的には任期付きで雇われることになる.任期はだいたい3年ほど.業績を残すことで昇進できるみたい.

  • 研究者とは中小企業の社長のようなもの!

予算獲得(営業)・管理,開発,基礎研究,教育,これらのことを基本的に一人ですることになるので,中小企業の社長のように広くできるようにならなければならない.

研究者になるためのスキル(素質)

  • レールの敷かれた人生を避けること

修士を修了後,就職するか博士課程に進学するかの選択の際,このまま周りと同じように就職してもいいのかと疑問を持ったそう.就職したらある程度は昇進して,ある程度は稼げそうだけど,つまらないなと感じたらしい.修士まで出て就く仕事内容がSEだとなんのために修士まで出たのかわからない.もっと知的なことをやりたいと思った.あと,SEは人がやるべき仕事なのか(将来的に機械がやるようになるだろう)とも言ってました.

  • 鈍感力

これは,とても大事だと言っていました.これは,研究者になるまでと研究者になってからで必要と言っていました.まず,研究者になるまでは,周りよりも学生の期間が長くなってしまうので,就職した組が昇進していくなかで自分は学生のままで何をやってるんだろうなって感じてしまいます.そこで,どれだけ周りを気にせず鈍感であれるかが精神的な強みになるよう.これまで,博士課程の途中で挫折してしまった人は何人もいるようです.

次に,研究者になってから.2つあります.1つ目はいざ研究で食べていこうとしたときに,研究内容で煮詰まってしまったとき,どれだけ煮詰まっているという状況を鈍感さで乗り切るかだそう.煮詰まっていることに対して敏感になりすぎると精神的にしんどくなるようです.煮詰まっているのに煮詰まっていることに気付かないくらい鈍感になれと言っていました.2つ目は,論文の査読についてです.トップカンファレンスに論文投稿をすると(辛辣な)ありがたい意見を頂くそう.英語が稚拙である,から始まり,A4用紙4枚分ぐらいの査読回答が返ってきます.その時に適度に受け止めることができるかが大事だそうです.あまり落ち込みすぎてはダメ.

  • 文章力・発信力

いくら研究ができても発表できなければ研究しなかったことと同義.発表の形式は基本的には論文,学会です.その時にいかに上手に文章にできるか?いかに上手に発信できるか?が大事と言ってました.

まとめ

研究者とのお話の中で聞いた話や感じたことをここまで書きました.

  • 研究者は自由な働き方ができる
  • 研究者は中小企業の社長のようなもの
  • 研究者に必要な資質は,鈍感力と発信力